俺の隣ではが笑っている。
それが当たり前だと思っていた。
痕跡 第1話【最悪な日の最悪な出来事】
今日は朝からまったくついていない。
朝から雨は降ってるし、寝坊して遅刻しそうになるし、水溜りに嵌るし、仕事は仕事で何回もミスをして監督に怒られた。
更に、何もない所で扱けそうになるわ、欲しかったジュースは売り切れ、極め付けにまた水溜りに嵌った。
こんな日はさっさと家に帰ってゲームをするに限る。
そう思い、楽屋を出ようとしたらポケットの携帯が鳴った。
嫌な予感がした。
ディスプレイには滅多に映ることのない、いや、今まで映ったことのない人の名前。
の親友の“ちゃん”だった。
一度に紹介されて会ったきりで、連絡先も交換したが使うことはなかった。
「ニノ、出ねぇの?」
「あ、うん・・・」
携帯をじっと見つめたまま固まっていた俺に、翔君が不審気に声を掛けてきた。
「・・・はい。」
「あ、あの・・・」
ちゃんは酷く混乱しているようだった。
「どうしたんですか?」
「・・・・が・・・」
“が倒れました”
確かにちゃんはそう言った。
そして、近くの病院の名前を言って電話が切られた。
が倒れた?
俺にはその言葉の意味が理解できなかった。
そんな馬鹿なことがあるわけない。
でも、俺は土砂降りの雨の中へ走り出していた。
今日は朝からまったくついていない。
幸せな日々の終わりは前触れもなくやってきた。
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始まりました、新連載!!!
梅雨の時期のお話なんで、がんばって梅雨が開けるまでに終わらせたいです・・・;
wrote : 2006.4.23
UP : 2006.6.25