暗闇は何処までも続いていた。
何も見えない。
何も聞こえない。
誰もいない。
痕跡 第4話【握り返された手】
重たい瞼を上げた。
俺の体には毛布がかかっていた。
「和也君、起きた?」
「・・・おばさん・・・」
俺の後ろでのお母さんは花瓶の水を替えていた。
何日か前に俺が持ってきた紫陽花。
今の季節はいろんなところで綺麗に咲いている。
の目が覚めたときに綺麗に咲いてくれるように、まだ蕾のものを買ってきた。
でも今はほぼ咲いている。
紫陽花と一緒にも目を覚ませばいいのに・・・
そう思うと、ふと、あの夢を思い出した。
真っ白な世界の夢。
しかし、はやはり静かに眠ったまま。
周りを見わたしても、昨日とほとんど変わりはない。
変わったことといえば、俺の体には暖かい毛布がかけられていて、窓際に置いてある紫陽花が咲いていることだけ。
やっぱり所詮は唯の夢・・・
現実をそう簡単に変えれる訳がない。
そう思い、ため息をひとつ吐いた瞬間、昨日から握りっぱなしだったの手が微かに動いた気がした。
「!?」
「・・・んっ・・・」
「?!」
は小さく唸って体を動かした。
その声に反応しておばさんが駆け寄ってきた。
「ん・・・?」
は再び唸り、そしてゆっくりと目を開けた。
「!!」
おばさんは泣きながらを抱きしめた。
「・・・お母さん?」
は戸惑いながらもおばさんを抱き返した。
そして、と俺の視線がぶつかった。
「・・・」
俺が1歩、足を踏み出した瞬間、の口から信じられない一言が発せられた。
「あの・・・どちら様ですか?」
俺の中の何かが音を立てて崩れ落ちた。
目に浮かぶ涙の意味は?
歓喜?
感激?
それとも・・・絶望?
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急展開?
UP遅くなってすいません;
wrote : 2006.5.7
UP : 2006.7.15