キミノニオイ







































午後8:00
仕事を早く終わらせると俺はの部屋へ急ぐ。










(早くに会いたい。)










そう思うと自然に足が速くなる。
















マンションの前まで行くと、の部屋を見上げた。









(真っ暗だ。)

(まだ帰ってないのかな〜?)







エレベーターに乗り、ポケットを探る。
指先に冷たいものが当たった。


の部屋の合鍵。


大抵はの方が早く仕事が終わるから、あまり使われることのない鍵。
だけど、が誕生日プレゼントと一緒にくれたこの鍵は見ているだけで口が緩む。



外であまりデートができないせいで、お互いの部屋で過ごすことが多かった。
この鍵にはその思い出を蘇らせる力があるようだった。










エレベーターから降り、の部屋の前で鍵を挿し、ゆっくりと回す。





“ガチャリッ”





ドアを開けて中に入るとやっぱり真っ暗での姿はない。








「何して待っとこっかなぁ。」







ボリボリ頭を掻きながら、部屋を右往左往。

やることが浮かばない俺は、リビング、キッチン、お風呂、トイレ・・・・
とにかく行ったりきたり。






最後に寝室へ入っていった。









そこにはいつもと寝ている、枕が2つのダブルベットがある。


急に仕事の疲れが襲ってき、ベットにダイブ。







「1人だとこんなに広いんだ。」










ベットからはのニオイがした。





女の子のニオイ?





優しいニオイ?





落ち着くニオイ?






その正体は判らないけど、ニオイだけのが恋しくて涙があふれそうになった。











広いベットに独り。









布団に潜り込む。

当たり前だけど、はいない。














いつもここに来るとが“お帰り。仕事お疲れ様!!”ってニコニコしながら迎えてくれる。
今日はそれがニオイだけ。














(あ、はいっつもこんな気持ちだったのか。)









真っ暗の部屋に帰ってきて、独りでお留守番。
いつ帰ってくるか分からない人を待つ。











「ごめんね。いっつも寂しい思いさせて。」






ポツリとそう呟くと、のニオイのする空気をお腹いっぱいに吸って玄関に向かった。







(今日は俺がに言おう!)









玄関でを待つ。



































それから俺が“お帰り。仕事お疲れ様!”ってに言ったのは、ほんの数十分後。















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なんか微妙・・・・・?
反響悪かったら削除するかも。



wrote : 2006.10.8
UP : 2006.3.4