空を見上げると、キラキラが今にも落ちてきそうだった。










































キラキラ






















































深夜。

仕事の帰り道。

誰もいない、一人きりの道路。

暑かった夏もいつの間にか終わりを告げ、少し冷たい風が頬をかすめて流れていった。

赤信号で立ち止まり、ふと空を見上げると、そこには満点の星空。

あまりの美しさに息を呑んだ。

東京にもこんなに綺麗な星空があったんだ。



そう思うと同時に、の事が頭に浮かんだ。



(元気にしてるかな?)

(今、何してるかな?)

(俺の事考えてくれてるかな?)



ポケットの携帯に手を伸ばした瞬間、周りの静寂を裂くような機械音が鳴り、急いで通話ボタンを押した。



「もしもし。」

「潤?出るの早かったね。」

「ちょうどに電話しようと思ったから。」

「そうなの?何か御用事ですか?」



がふふふっと笑っている顔が浮かぶ。



「いや、今仕事の帰りなんだけど、空見たら星がすげぇ綺麗だったから。」

「うそ・・・」

「え?」

「私もそれを潤に言おうと思って電話したの!!」

「まじで?」

「まじでっ!!」

「・・・これって運命じゃね?」

「運命だね。」





俺たちは少しの間黙って空を見上げた。




無数に広がり、輝く星が俺たちを繋げている。

俺は立ち止まり、そして来た道の方へと足を進めた。




「綺麗だな。」

「うん。すっごい綺麗。」

「こんな綺麗な星空見たのはじめてかも。」

「私も。なんか手がとどきそうだなぁ。」



きっと電話越しのはこの空に向かって手を伸ばしている。

俺もゆっくりと手を空へ伸ばした。


に届くように。


星は俺の指の間で輝いて、まるで星を捕まえた気分だった。



もこの星に手を伸ばしてるのかな。)







「あ、流れ星。」

「あ、ホントだ!!」



眩しいほどの光を放つ星のひとつが、俺の手をすり抜けるように暗闇を流れていった。



も見えた?」

「うん、見えたよ。お願い事できなかったけど・・・」

「やっぱり空って1つに繋がってるんだな。」

「そうだね。離れてても同じものが見えるってなんか嬉しいね。」

「やっぱ運命だよな。」

「ふふふ。そうだね。」







俺はさっき自分が出てきた改札をもう一度くぐり、ほとんど人の乗っていない一番後ろの車両に乗った。

電話を切ろうかと思ったけど、そこには酔っ払って寝そべっているサラリーマンが2人乗っているだけだったので、そのまま続けることにした。




俺は一番大きな窓の前に座った。

一番星がたくさん見えるように。

と同じものを少しでもたくさん見るために。




「流れ星に何願おうとしたの?」

「聞きたい?」

「聞きたい。」

「ふふふ。私が願うことなんて決まってるじゃん。」




電車は猛スピードで走っているのに、星はちっとも焦った様子もなくどこまでも付いて来る。




「何?」

「あのね、」




“潤に会いたい”




「・・・マジで?」

「嘘ついてどーすんのよ。」



はちょっと照れたように笑って言った。



「やっぱ俺たち運命だわ。」

「え?」



だって俺の足は、が流れ星に願わなくたって、とっくにの元へ向かっている。



「あと10分。いや、5分したらまた電話する。」

「う、うん?」

「じゃ、また後で。」

「うん、じゃぁ待ってるね。」



俺はが電話を切るのを確認してから携帯を閉じ、手に握り締めたまま電車を飛び出した。


ここからの家は徒歩で10分。

走れば5分で間に合うはず。


















俺は満天の星空の下、出来るだけ速く、速く走った。

の所に着くまで、どんどん走った。




星は俺を追うように付いてきて、俺は輝く翼を手に入れた。























































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星=プラネタリウム=花より男子=松本さん
これが私の方程式です。




wrote : 2006.9.17
UP : 2006.9.28
Background Change : 2007.1.4