家に帰ると俺の部屋に雨が降っていた。
















 涙
   ポ
    タ
     リ






















「何やってんの?」
「・・・」



部屋のドアを開けると、ベットの上にがいた。
これはいつもの事。
親同士が親友で、その影響からかとは古い付き合いだ。
所謂幼馴染。



俺を苦しめるこの関係。







は俺の枕を抱いて顔を埋めている。
これもいつもの事。



「また彼氏にでも振られた?」




一瞬ピクリと動いたけれど、否定はしなかった。





俺は、はぁと溜め息をひとつつくとその辺に荷物を放り投げて、そっとの隣に座った。







彼氏に振られて俺のところに来る。
これもいつもの事。

その度にに会えるのは嬉しいけど、他の男に泣かされてるを見るのはムカつく。







(を泣かせていいのは俺だけ)


黒い独占欲が渦巻く。







手に入れたいけど、振られるたびに俺のベットで無防備に泣くのは俺を男として見ていない証拠。
所詮はただの幼馴染にしか過ぎない。





その位置が俺を締め付ける。














「で、今度は何で?」

できるだけ優しく、そっと頭をなでてやる。




「・・・“お前、俺のこと好きじゃないだろ”って言われた。」
「でも、好きだから付き合ってたんだろ?」




「わかんない。」
「わかんないって・・・・」




枕から少しだけ出した顔からはまだ雫が落ちる。



ポタリ。


ポタリ。



「好きだったかもしれないけど、愛してなかったみたい。」

「は?」







今回が5度目の失恋はかなり重症みたいで、頬を伝う涙は止まる気配もない。



ポタリ。


ポタリ。










「でもね、気づいちゃった。本当の自分の気持ち。」
「何?」













「私、潤のこと好き。」




「・・・・え?」







そっと優しくの頭を撫でていた俺の手はとまり、予想外の展開に頭は真っ白になった。





が俺のことを?





「ごめん。私帰るね。」

はスッと立ち上がり音も立てずにドアのほうへ向かった。












(帰しちゃいけない!!)







「ちょっと待った!」

慌てての腕を掴んだ。
真っ白になった頭でなんとかこの気持ちをに伝えないと。









「俺、は俺のこと男として見てないと思ってた。きっとただの幼馴染くらいにしか思ってないだろうって。」




そっとを抱き寄せて耳元でささやいた。
















「俺も好き。」








「潤・・・」





の頬を涙が伝う。



「お前また泣いてんの?」
「だって・・・だって潤がぁ〜・・・」





目からは大粒の涙が零れ落ちる。



ポタリ。


ポタリ。











再び俺の部屋に雨が降り出した。
でも今度は大丈夫、ただの夕立だから。
すぐに止んで、そしたら綺麗な紅い夕日が見れるから。












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wrote : 2006.1.9
UP : 2006.3.4