私の好きなもの。


音楽、切ない小説、カメラ、赤色、海、空、ミルクティー。

そして、あなた。









































すきすきすき






















































私は暇があればいつもここに来る。
どんなに暑くても、どんなに寒くても。
そんな私を理解してくれる人はほとんどいないけど、でもここが好きだから。






今日も私はテトラポットに登って空を見上げた。
青い空に自分の吐息が雲を作る。
それだけで何だか気分が晴れて、仕事の失敗もプライベートのイザコザもどうでも良くなってくる。
ここは私のオアシスなんだ。







「やっぱりここにいた。」
「あ、かず。」
「お前、携帯出ろよ。」
「携帯はおうちで大人しくお留守番してますから。」
「それ携帯の意味ねぇじゃん。」


かずはハイっと私の大好きなミルクティーの缶を投げ、寒そうに私の隣に座った。


「ありがと。」
、寒くないんですか?」
「寒いよ。」
「だったら何でこんな所居るんですか?」
「好きだもん。」
「・・・聞いた俺がバカでした。」


そういうとかずも黙って空を見上げた。








かずが何を考えてるかは解らなかったけど、でも、少しでも私と同じ事を考えてくれてたらいいなと思った。
冬でも空は相変わらず青いんだな、とか
この風はどこから吹いてるのかな、とか
あの雲から雪が降ってきたらロマンチックなのに、とか。








「かず、寒い?」
「寒いに決まってるじゃないですか。」
「そっか。」


私はもそもそと動き、かずにぴったりとくっついた。
頭をこつんとかずの肩に乗せると、その上にかずの頭がこつんと降ってきた。
一緒に温もりも降ってきて、思わずにやけてしまう。


「何笑ってるんですか。」
「へへへ。」
「・・・気色悪いですよ。」


そう言いながらもかずは笑ってた。
だから私も嬉しくて笑う。

2人の笑い声は青い海の上を渡って行った。


「よいしょっ。」
「痛っ!」


私は自分の頭でかずの頭をえいっと押し上げて立ち上がった。


「さっ、帰ろっか。」
「海はもういいんですか?」
「うん。海はすきだけと、かずの方がすきだから。」


かずが凍え死んじゃったら大変!と言うとかずは声を上げて笑った。
私は結構本気だったんだけど。


「それはどうも。」
「なんでそんなに笑うのよ。」


かずはまだ半分笑いながらそう言うと、立ち上がってひょいと私の手を取った。


「いや、愛されてるなと思いまして。」
「今更?」
「まぁ前から解ってましたけどね。」


私もかずの手を握り替えして歩き出した。
ちらりとかずの方を見たらかずと目が合って、また2人で笑いあった。

2人の笑い声は青い空に響いていった。



知ってる?
私もかずに愛されてるなっていっつも思ってるんだよ。
悪態つくのも愛情の裏返しだし、外に出るのは嫌いなのにこんなに寒いところまで来てくれる。
私のすきなものを分かってくれるし、いつでも私の心配をしてくれる。
今も、繋がれた手から、笑い声から十分すぎるくらい愛を感じてるよ。

だからかずは私のすきなものの一番。
“大すき”なの。

















私の好きなもの。


音楽、切ない小説、カメラ、赤色、海、空、ミルクティー。

そして大好きなのは、あなた。


なんて言ったらまた笑う?













































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2008年、初書きです。
下書きなしで書いたら大変なことになりました(笑



wrote : 2008.1.3
UP : 2008.1.3