ボクのなまえはわからない。
なまえがあったのか、どこからきたのかもわからない。
ただわかっていることは、ボクがダンボールのなかにいるということ。
【Wonderful House】
―――ポツポツポツ...
あめだ。
ボクの毛はどんどんつめたい水にぬれておもくなる。
「わん。」
ちいさな声でないてみたけど、ボクのまえをとおる人たちはシカメッツラで、はやくおうちに入ろうとすごいスピードですぎていく。
「クゥーン...」
ボクはまたちいさな声でためいきをついて下をむいた。
「・・・!?」
すると、急にあめがやんだ。
ビックリしてまえをむくと、目をキラキラさせたおんなの人がボクにカサをさしてくれてた。
「わんちゃんだー。」
おんなの人は自分がぬれてしまうのも気にせずにボクにカサをさしてくれている。
(いい人だ!!)
ボクは精一杯おおきなこえでないた!!
「わん!!!」
「こんな所にいたら風邪引いちゃうね。」
にこっと笑ったおんなの人にボクはひょいとだき上げられて、タオルでくるまれた。
「今から良いとこ連れてってあげるからね。」
ボクはおんなの人のうでの中で久しぶりに“ぬくもり”っていうのをかんじた。
****
しばらくしたら、おんなの人はある家に入っていって、ピンポンピンポンピンポーンとチャイムを何回もおした。
「かずー!!!」
「はいはいはい。」
すると、家の中からボクとそっくりなおとこの人がでてきた。
「やっほー。」
「・・・、それどうしたんですか?」
おとこの人はボクをゆびさした。
「うちのマンションのゴミ捨て場に捨てられてたの。」
「そんなの拾ってきてどうするんですか!?」
「だって・・・かずにそっくりだったんだもん・・・」
おんなの人はキュッとボクをだきしめた。
ボクもキュッとおんなの人にくっついた。
「はぁ・・・。」
おとこの人は大きくためいきをついてボクに近づき、わしわしと頭をなでてくれた。
「んちのマンション、ペット飼っていいんですか?」
「ダメだよ。」
「ダメって・・・じゃぁ何処で飼うんだよ。」
「ここ。」
「は?」
「かずんち。」
「はぁ!?」
「だめ??」
おんなの人は上目づかいでおとこの人を見つめた。
ボクもいっしょにおとこの人を見つめた。
「はぁ・・・しょうがないですねぇ・・・」
「やった!!!かず大好き!!!」
おんなの人はボクをだいたまま、おとこの人にだきついた。
(つぶれる!!!)
こうしてなんとかおうちを手に入れたボク。
ごしゅじんさまはボクにそっくりな“かずなりさん”になりました。
さんもよくあそびにきてくれて、幸せな日々をおくってます。
***♂***
久しぶりのオフ。
家で今日のために昨日買って来たゲームに勤しんでいると、外から近所迷惑な愛しい人の声が俺を呼んだ。
「かずー!!!」
が予告なしでやってくるのは日常茶飯事。
俺は何時間かぶりにテレビの前から立ち上がり、小走りで玄関へ向かった。
「やっほー。」
はいつもと同じようにそこに立っていて、しかし手には何かうごめく物をしっかりと抱えている。
「・・・、それどうしたんですか?」
「うちのマンションのゴミ捨て場に捨てられてたの。」
はサラリと言った。
「そんなの拾ってきてどうするんですか!?」
「だって・・・かずにそっくりだったんだもん・・・」
は犬をぎゅっと抱きしめた。
「はぁ・・・。」
俺はついついを甘やかしてしまう自分に溜息を贈って、汚れた子犬の頭をワシワシと撫でた。
(俺に似てる・・・か。)
「んちのマンション、ペット飼っていいんですか?」
「ダメだよ。」
「ダメって・・・じゃぁ何処で飼うんだよ。」
「ここ。」
「は?」
「かずんち。」
「はぁ!?」
「だめ??」
そういって(+犬)は上目遣いで俺を見つめる。
(俺がその顔に弱いこと分かってやってるんですか・・・?)
彼女にそんな可愛いお願いをされて心を揺さぶられない彼氏がいるんなら是非会ってみたい。
もちろん俺は揺さぶられまくりな訳で。
再び自分に溜息を贈った。
「はぁ・・・しょうがないですねぇ・・・」
「やった!!!かず大好き!!!」
満面の笑みでは俺に飛びついた。
そんな笑顔を見てしまったら、きっと俺はまたを甘やかしてしまう。
でもそれもいいかな、なんて思ってしまう俺は相当にはまっているみたい。
俺とに挟まれて、子犬は窮屈そうにしているけど嬉しそうに鳴いた。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
10000HIT 記念小説第1弾!!!
二宮さんのお話ですが、出番少ないです。(笑)
しかも何か短い&微妙☆
wrote : 2007.3.11
UP : 2007.4.28
rewrote : 2007.5.6
reUP : 2007.5.6